潮来の家
●設計事例の所在地:
茨城県潮来市
●面積(坪):
38坪
●建物の種類(大分類):
住宅関連
●メインの画像:
●メイン画像の説明文:
適度に「和」を取り入れたデザインとして古材の存在を空間に馴染ませた。また、近年の住宅ではあまり取り入れる機会が少なくなった組子細工も解体前の建物で使用していたものを再利用。当時と同じ建具職人の手により新しく生まれ変わらせた。
建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望:
当初は既存建物(古民家)のリノベーションの可能性もあったが、建物自体のさまざまなダメージやコストを考慮すると建て替える事が最良とクライアントとの話で決定した。しかし私自身も単に解体してしまうのも惜しいと思い、可能な範囲で古材の再利用を検討した。
●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
本計画地には元々築年数が不明の古民家が建っていた。現地調査の段階では既に増築やリフォームを数回繰り返されていたが、半世紀ほど前には土間の台所や薪釜、離れに厠や五右衛門風呂などがあったとの事。
残念ながら東日本大震災では建物に大きなダメージを受け、害虫被害も見受けられていたことから今回建替える事とした。
計画当初から大黒柱をはじめ、なるべく古材を再利用する方向で検討していたが、解体が始まった際に確認したところ想像以上に虫食いが酷く、利用できる部分は室内に露出していた部材のみ。結果として使えそうな部分から厳選して再利用する事とした。
玄関ドアを開けると広い玄関土間が続き、再利用された太い大黒柱や梁が存在感を示す。また室内建具で使用されていた組子細工も当時と同じ建具職人の手により新しく生まれ変わらせた。
以前の建物の存在を継承しつつ、世代を超えてもその歴史や組子の伝統技術も受け継いでいく。そして高気密高断熱住宅として生まれ変わったこの家は、家族が家の中心に自然と集まる空間とし、快適な生活とともにまた新しい歴史を刻まれていく。
その他の画像: